第1回 月の土地を買う


4046平方メートルの土地がわずか2700円で売られている。

土地といっても地球の土地ではない。

月の土地だ。

この他にも、「火星の土地」(3200円)など、宇宙にまつわる商品が売られている。

販売元:Lunar Embassy Japan (http://www.lunarembassy.jp/)

さて、この「月の土地」とやらを実際に買ってみた。

入金から10日ほどで「月権利書」「月憲法」など書類一式が送られてきた。


(左から 封筒、購入した土地の位置、月権利書、月憲法、右4枚は日本語訳)

と、ここで疑問に思ったのが、「なぜ民間の業者が月の土地を売る事が出来るのか?」ということだ。

同社HPを見てみると、いろいろな理由をつけて月の販売権があると書いてある。

それが正確かどうかは定かでないが、現在の地球上の憲法・法律・協定などでは、月の所有権については言及されておらず、所有権を宣言すれば所有者になってしまうというところだろうか。

ただ、この会社はある程度の手続きを踏んでいるようなので、誰でもできるといった事ではないようだ。

同封されていた「月憲法」を読んだ。

第7条
唯一"The Head Cheese-CEO"だけが、地主、生物、他の惑星政府あるいは宇宙存在に対し、宣戦を布告する事ができる。

抽象的な事柄が連ねている中に唯一具体的なものであった。

「月」を特別な存在に思っていた時代は終わったような気がした。

平和な星、月は実現しないのだろうか。

結局この憲法を見た限りでは、地球との違いを見いだす事ができなかった。

何かが実現する際、そこに生じるものはやはり「夢」でなく「現実」なのだろう。

だが、まだそこには夢がある。

2700円で夢を買えるのなら安いものだろう。

宝くじを買うのも良いが、みなさんも月の土地を「話のネタ」程度に買ってみたらいかがだろうか。


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